お食事編

虫歯のないA様、虫歯の多いB様、何がそんなに違うのでしょうか??

(1) お食事編
(2) 家族編
(3) 歯ブラシ編
(4) 細菌編
(5) 唾液編
毎日3回、食事のあとに歯ブラシをしている、A様とB様なのに・・・。
A様は、虫歯ができても小さな虫歯ですぐに歯科治療が終わるのに、
B様は次々と虫歯ができて困り果てています。
何がそんなに違うのか考えてみましょう!
お食事編
A様

A様は、朝食は必ずとられておりますが、昼食・夕食は、お仕事の関係で遅くなったり、または抜かしてしまったりと結構不規則になりがちのようです。
ただ関係者との打ち合わせなどの際に、お茶をするときも、ブラックコーヒーだけ!と間食はほとんどないとのこと。甘いものは、太るといけないので食後にとるというように気をつけているようです。
B様

B様は、とてもスリムな方ですが、朝食はとったりとらなかったり、昼食・夕食もお仕事の関係で遅くなりがちです。会社の空調の関係で、喉を痛めやすいらしく、のど飴を常用されております。
夕食も夜1時を過ぎてのこともあり、そうなると翌朝の朝食を抜いてしまうことも多いようです。

B様のように、糖分がお口の中にある時間が長く、回数の多いことは大変なことなのです。
お仕事があまりに忙しくて、歯科医院の予約もキャンセルになることがたびたびで、このコンプレックスをなんとかなくそうと気に病んでおられます・・・。
食事と酸の産生

■臨海pH ・・・ 歯牙が脱灰を始めるpH
・乳歯、幼若永久歯、像牙歯 → pH5.7 ~ 6.2
・永久歯 → pH5.7 ~ 6.2
右のグラフは、ステファンカーブとして知られている、砂糖水でうがいをしたときのプラーク中のpHを表したグラフです。青い線は、0.1%の砂糖水、赤い線は5.0%の砂糖水で洗口した時のpHを表しています。
うがい後、約2分でpHがかなり低下しますが、糖濃度の高い方が回復までにより長い時間を要します。
一般に市販されている清涼飲料水は約10%の等分が含まれていると言われていますので、このグラフ以上にpHにの低下する時間は延長してより虫歯の発生の危険性が高まります。
食事の回数とpHの変化

食事回数の増加(間食)は継続的なpHの低下を持続させ、
その結果脱灰時間が延長してう蝕の危険性は増加します。
また就寝中は唾液の分泌が減少しますので、
就寝前の飲食はう蝕の危険性が高まります。
「実践カリオロジ-」より引用
食事指導の要点
指導の要点
飲食の回数を少なくすることを基本とします。
例:おやつとジュースは同時に食べる。
飲食回数を減らすことで、pHの低下時間の総計を減らすことができます。
おやつの食べ方・与え方
おやつに砂糖は切り離せないものです。砂糖は動物にとって重要なエネルギー源ですが、摂取する量、摂取方法がむし歯予防には大変重要なポイントになります。
1日におやつとして食べる糖分・・・20グラムくらい
おやつに記載された糖分量に注目しましょう。
「ダラダラ食い」はやめましょう
口の中に長い時間糖分を置かないようにします。乳児がほ乳瓶でジュースやイオン飲料を持続的に飲むのも要注意です。
おやつの種類を選びましょう
糖分が長い時間停滞するような種類のものは控えます。特にアメ、チョコレート、ガム、清涼飲料水、乳酸菌飲料は要注意です。
甘いものと甘いものの組合せは避けましょう
甘いお菓子には水、お茶、牛乳を組合せて糖分をなるべく薄めましょう。のどが渇いたときに欲しいのは水で砂糖水ではありません。むやみにジュースを飲ませるのは避けます。
「おやつ」は食生活の中に潤いを与える捨てがたい魅力です。 おやつに砂糖を食べるならば、上手な食べ方と食後の歯磨きを忘れないようにしましょう。