ケーススタディ


虫歯のないA様、虫歯の多いB様、何がそんなに違うのでしょうか??

(1) お食事編
(2) 家族編
(3) 歯ブラシ編
(4) 細菌編
(5) 唾液編
毎日3回、食事のあとに歯ブラシをしている、A様とB様なのに・・・。
A様は、虫歯ができても小さな虫歯ですぐに歯科治療が終わるのに、
B様は次々と虫歯ができて困り果てています。
何がそんなに違うのか考えてみましょう!
唾液編
おいしそうなケーキを前にすると、ちょっと恥ずかしいのですが、思わず生唾が出てしまいます。
A様

A様は、楽しく会話をなさりながら同僚とお食事をなさることも多いという方で“食後のスウィーツ”は欠かせない事のようです。
体重が気になる今日この頃、良く噛むように心がけ、さすがに量は減らし気味になさっているとの事!
でも、同僚との仕事やプライベートの話に花を咲かせながらのデザートは止められないのです・・・。
おいしそうなケーキを前にすると、ちょっと恥ずかしいのですが、思わず生唾が出てしまいます。
B様

B様は、残念ながら男性ばかりの職場の中間管理職!お食事もコンビニ弁当や中華料理店の出前!なんとも味気ない食事を10分少々でなさって、お仕事に戻るという毎日です。間食もあまりなさらないのですが、先日からはキシリトールガムを一日5回!食後と口寂しい時に、お休み前に噛むようにしていただきました。すると!なんとお口の中の歯についたベトベト感が一ヶ月もしないうちになくなってきたとうれしそうにお電話をいただきました。
“キシリトール”入門講座

最近CMなどで、よく耳にする“キシリトール”これって何なのでしょう?
“キシリトール”は天然素材の甘味料で、シラカバやカシを原料におもにフィンランドで生産されています。私たちの身近なところでは、イチゴやラズベリー等の果物やレタスやほうれん草、カリフラワー等の野菜にも含まれています。また体内でも肝臓で1日に5~15g生産されていて、その安全性はWHO(世界保健機構)でも認められているのです。
ではその“キシリトール”がなぜ虫歯予防に効果があるのでしょうか?
それは“虫歯発生のメカニズム”と深い関わりがあります。私たちの口の中では、食事やおやつなどにより発生した“酸”を唾液の働きによって 中和し、溶けたエナメル質を再石灰化するということが行われています。しかし“酸”の発生する量と回数が増えると再石灰化が追いつかず、 虫歯になってしまうのです。しかし“キシリトール”には、この唾液の分泌を刺激し中和を促進させ再石灰化を活発にする働きがあるのです!
1日の摂取量
100%キシリトールガムで1日5枚程度
タブレットの場合は、ガムを噛む場合と比べて唾液分が少ないので10g程度
摂取のタイミング
毎食後また糖分が含まれたお菓子を食べた後
就寝前のブラッシング後 ※菓子と同時摂取は効果がないので、直後に用いること!
摂取方法
噛むことは唾液分泌を促し、唾液中の防御因子とキシリトールの相乗効果が期待できますので、チューイングガムによる摂取が効果的です!
対象者
研究の裏づけのある小児・若年者に関しては、効果が確認されています!
とくに歯の生える時期の摂取は、効果的です。
学童は昼食後は避け、朝食後・帰宅後・夕食後・就寝前の1日4回が理想的です。
※キシリトールは吸水性が高いので、冷蔵庫などの低温で乾燥した場所に保管しましょう!
細菌編
同じように歯が汚れていても、虫歯になる人とならない人がいます。これは、口の中の虫歯菌の数が人によって違うことが関係しています。
東山歯科医院では、お口の中の虫歯菌が、多いか少ないかを調べる検査を行っています。お気軽にご相談を!A様・B様の唾液から代表的な虫歯菌である“ミュータンス菌”の量を調べてみると!
A様

A様は、ミュータンス菌が少ないことが判明!
B様

B様は、ミュータンス菌が多いことが判明!

あなたは大丈夫?虫歯から歯を守る方法があります!
日本全国で95%の人が毎日、歯を磨くというデータが出ているにも関わらず、虫歯の数は 減っていません。
その反面、磨かなくても虫歯にならない人がいます。どうしてでしょうか?
Q:どうして虫歯になるのでしょうか?
A:一般に食べ物の中の砂糖が原因と言われていますが、それだけではありません!虫歯は主に4つの原因から成り立っていて1つの原因だけでは虫歯になりません!
でも大丈夫!虫歯を作らないためのプログラムがあります!
この原因は個人差があるので、専門家のチェックを受けなければ“歯を守る方法”がわかりません。当院では、あなたの虫歯のなりやすさを科学的に調べ、虫歯を作らないためのプログラムを作成します。
※プログラムの内容によりご家庭の取り組みと当院におけるプロケアの二人三脚により、虫歯を防ぐことができます。
皆様のご要望・治療への疑問など何でもご相談下さい!
※可能な限り皆様のご要望に沿った形で対処したいと思っております。
例えば・・・
歯周病について聞きたい
来月までに治療が終わって欲しい・・・
虫歯を作らないプログラムについて詳しく話を聞きたい
口臭・歯並び・その他“歯に関すること” などなど
保険で出来る範囲と出来ない範囲は?
A様・B様お二人とも大変まじめな方で、きちんと毎日歯ブラシをされております!
A様

A様は、夜だけは歯ブラシを10分くらいデンタルフロスを全ての歯になさっております。
B様

B様は、職場でも昼食をとりますとできる限り、歯ブラシをされております。
朝・昼の歯ブラシは、忙しさもあり2分間ほどのものです。
お休み前も、お仕事の疲れもあり、2分とかからない歯ブラシでお口の中をすっきりとさせて、すぐに夢の中へ・・・。
四角い部屋を円く掃除する!そんな掃除だと、お部屋の隅は綿ほこりだらけ!お口の中でも、同じことが言えるようです。 お部屋だとほこりのたまる所に、歯だと汚れのたまるところに虫歯ができてきます。
スクラッビング法で歯みがき上手に!

歯垢がつきやすいのは、歯と歯ぐきの境目・歯と歯の間・奥歯の溝などです。その部分の汚れを落とすのに効果的な歯みがき方法が、『スクラッビング法』です。
歯と歯のすき間に歯ブラシの毛先を入れ、何度も横に細かく動かす方法です。歯ブラシの持ち方は、余分な力が入らないようペンを持つようにします。
動かす範囲は数ミリ単位で!毛先と歯の角度は垂直にし、歯ブラシの先端・横・根元を使い分けながら、歯の1本1本を 磨いていきます。
1か所につき、20回毛先を動かすのが目標です!
スクラッビング法による歯の磨き方

歯ブラシの当て方

歯ブラシの選び方
歯ブラシは、口の中で動かしやすいよう、ブラシ部分の大きさは親指の幅1本分程度の小さ目のものを選びます。毛の硬さは「普通」でよいでしょう。
またブラシを強く当て過ぎると歯ぐきが後退し、冷たいものがしみるなどの症状が出やすくなります。自分だけでは落としきれない汚れもありますので、定期的に歯の状態を診てもらいながらブラッシング指導を受けることをおすすめいたします!
歯みがき剤の選び方
歯みがきの技術も大切ですが、フッ素入り歯みがき剤を使えば、虫歯予防効果は確実に高まると言われています。フッ素は、歯の表面を修復する再石灰化作用を促し、穴が開いていない初期の虫歯であれば、歯磨きで悪化を防げます。
フッ素入り歯みがき剤については100以上の臨床研究が世界中で行われ、虫歯の発生を抑制することが証明されています。その虫歯の抑制率は2~3年で20~30%です。つまり10本虫歯になるはずの歯が、フッ化物配合歯みがき剤を使うことで2~3本虫歯にならなくてすむ訳です。
また永久歯のはえ始める年齢から長期間使用した場合は、より高い予防効果になることが予測されています。例えば水道水フッ化物添加の虫歯抑制率は約50~60%ですが、長期間のフッ素入り歯みがき剤の使用はそれに匹敵するといわれています。
実は身近なフッ素!

フッ素はフッ素そのものだけでは存在しません。
必ず何らかの物質と結びつき、安定した化合物として存在しています。
化合物と書くと難しく感じますが、フッ素は特別な物質ではありません!
実は自然界のたくさんのものにフッ素は含まれているんです。
例えば、空気や雨にも、そしてなんとお茶や魚介類・海藻類・甲殻類などにもフッ素は含まれています。
実はフッ素は私達にとっても身近なものなんです!
フッ素の働きについて!

歯とフッ素はどのような関わりがあるのでしょうか?人の歯の表面は、エナメル質でおおわれています。エナメル質は人体の中でもっとも堅いところですが、虫歯になると溶けてしまいます。フッ素はこのエナメル質(ハイドロキシアパタイト)に取り込まれるとフルオロアパタイトという虫歯に強い(溶けにくい)物質に変えることができます。
また成熟していない形成期の歯に対しては、より結晶性の高いハイドロキシアパタイトを生成して強い歯をつくります。ほかにも自然治癒が可能な初期の虫歯の場合、フッ素を塗ることで治癒を助けることが出来ます!

フッ素塗布の詳細は、お気軽にお問い合わせ下さい。
ご家族編
A様のお母様

A様のお母様は、いまだに歯を抜いたことがないことが自慢の方です!
B様

B様のお母様は、若い時から歯科医院と縁が切れないことが悩みの
種で、今は部分入れ歯になっていらっしゃるようです・・・。

お食事編
A様

A様は、朝食は必ずとられておりますが、昼食・夕食は、お仕事の関係で遅くなったり、または抜かしてしまったりと結構不規則になりがちのようです。
ただ関係者との打ち合わせなどの際に、お茶をするときも、ブラックコーヒーだけ!と間食はほとんどないとのこと。甘いものは、太るといけないので食後にとるというように気をつけているようです。
B様

B様は、とてもスリムな方ですが、朝食はとったりとらなかったり、昼食・夕食もお仕事の関係で遅くなりがちです。会社の空調の関係で、喉を痛めやすいらしく、のど飴を常用されております。
夕食も夜1時を過ぎてのこともあり、そうなると翌朝の朝食を抜いてしまうことも多いようです。

B様のように、糖分がお口の中にある時間が長く、回数の多いことは大変なことなのです。
お仕事があまりに忙しくて、歯科医院の予約もキャンセルになることがたびたびで、このコンプレックスをなんとかなくそうと気に病んでおられます・・・。
食事と酸の産生

■臨海pH ・・・ 歯牙が脱灰を始めるpH
・乳歯、幼若永久歯、像牙歯 → pH5.7 ~ 6.2
・永久歯 → pH5.7 ~ 6.2
右のグラフは、ステファンカーブとして知られている、砂糖水でうがいをしたときのプラーク中のpHを表したグラフです。青い線は、0.1%の砂糖水、赤い線は5.0%の砂糖水で洗口した時のpHを表しています。
うがい後、約2分でpHがかなり低下しますが、糖濃度の高い方が回復までにより長い時間を要します。
一般に市販されている清涼飲料水は約10%の等分が含まれていると言われていますので、このグラフ以上にpHにの低下する時間は延長してより虫歯の発生の危険性が高まります。
食事の回数とpHの変化

食事回数の増加(間食)は継続的なpHの低下を持続させ、
その結果脱灰時間が延長してう蝕の危険性は増加します。
また就寝中は唾液の分泌が減少しますので、
就寝前の飲食はう蝕の危険性が高まります。
「実践カリオロジ-」より引用
食事指導の要点
指導の要点
飲食の回数を少なくすることを基本とします。
例:おやつとジュースは同時に食べる。
飲食回数を減らすことで、pHの低下時間の総計を減らすことができます。
おやつの食べ方・与え方
おやつに砂糖は切り離せないものです。砂糖は動物にとって重要なエネルギー源ですが、摂取する量、摂取方法がむし歯予防には大変重要なポイントになります。
1日におやつとして食べる糖分・・・20グラムくらい
おやつに記載された糖分量に注目しましょう。
「ダラダラ食い」はやめましょう
口の中に長い時間糖分を置かないようにします。乳児がほ乳瓶でジュースやイオン飲料を持続的に飲むのも要注意です。
おやつの種類を選びましょう
糖分が長い時間停滞するような種類のものは控えます。特にアメ、チョコレート、ガム、清涼飲料水、乳酸菌飲料は要注意です。
甘いものと甘いものの組合せは避けましょう
甘いお菓子には水、お茶、牛乳を組合せて糖分をなるべく薄めましょう。のどが渇いたときに欲しいのは水で砂糖水ではありません。むやみにジュースを飲ませるのは避けます。
「おやつ」は食生活の中に潤いを与える捨てがたい魅力です。 おやつに砂糖を食べるならば、上手な食べ方と食後の歯磨きを忘れないようにしましょう。
A様とB様
A様

A様は、甘いもの大好き!
お酒は飲めない方で、ストレス解消は大好きなケーキ!
お仕事は、総合職で朝から夜遅くまで働いておられます。
B様

B様は、外資系の会社に勤務。時間は不規則!
乾燥した職場で喉が痛くて・・・。のど飴を常用!
こちらも海外への出張も多く不規則な生活を続けておられます。
お仕事があまりに忙しくて、歯科医院の予約もキャンセルになることがたびたびで、このコンプレックスをなんとかなくそうと気に病んでおられます・・・。